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1日にとっていい糖質の摂取量ってあるの?リスクと注意点

  • 糖尿病について
糖質の含まれている食べ物

「糖質制限ダイエットをしたい!」

「糖質をほとんど抜くと、ダイエットにはかえってよくない」

 

そのような話を聞いたことはありませんか?

この記事では、「糖質制限ダイエットに興味はあるけれど、よくわからなくて困っている」という方の疑問にお答えします!

 

糖質は身体のエネルギー

まず、糖質とは何でしょうか。

糖質は、身体を動かすためのエネルギー源になる栄養素です。

炭水化物の一種で、他に食物繊維も含まれています。

しかし、炭水化物の中でもほとんどが糖質になります。

 

日常的に食べているお菓子や、冷凍食品など加工食品のパッケージ裏にある「栄養成分表示」で、「炭水化物」と表記されているものは、ほぼ「糖質」と考えて良いでしょう。

糖質は身体に吸収されると、最終的にほとんどがブドウ糖になります。

 

ブドウ糖は細胞の中のミトコンドリアで化学反応を起こして、たくさんのエネルギーを作ります。

このエネルギーによって、身体を動かしたり頭を使ったりするといった日常生活を送ることができます。

他にも心臓を動かしたり腸を動かしたりするなど、生きるために必要な働きを保つことができます。

 

糖質を摂りすぎるリスク

「糖質を摂りすぎてしまったら太る」というのは、多くの方が経験上わかっていることだと思います。

では、どうして糖質を摂りすぎると太ってしまうのでしょうか。

 

糖質は、腸で吸収されてブドウ糖になり、血液の流れに乗って全身にエネルギー源として届けられます。

しかし、余ったブドウ糖は、すい臓から分泌しているインスリンによって、グリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯められます。

肝臓や筋肉に貯められる量を超えてしまうと、血液中に余ったブドウ糖はインスリンによって中性脂肪に変えられ、脂肪細胞に貯められます。

 

一番脂肪として貯まりやすいのが、お腹周りです。

このため、糖質を摂りすぎると肥満になってしまうリスクがあるのです。

 

1日に摂取していい量

では、「一日に必要な糖質の量」とはどのくらいなのでしょうか?

答えは「一日に摂取するエネルギー量」の50~60%です。

参考:日本人の食事摂取基準

 

体格の差や活動量によって摂取エネルギー量に違いがあるので、目安の計算方法と具体例を示します。

<摂取エネルギー量(kcal)> = <標準体重(kg)>×<身体活動量>です。

 

※標準体重とはBMI(Body Mass Index)値が22となる体重のことで、身長(m)×身長(m)×22で計算します。

参考:日本人の食事摂取基準(2020年版)

 

※身体活動量(kcal/kg 標準体重)とは、一日を通して運動に対するエネルギー消費の目安で、デスクワーク中心の生活であれば25~30、軽い運動を含む生活では30~35、肉体を使う重労働の場合は35程度を目安にします。

 

例として、身長160cmで軽い運動を含む生活をしている場合の、摂取エネルギー量を計算してみましょう。

標準体重を求める計算式は、1.6(m)×1.6(m)×22となり、結果、56.3kgであることが分かります。

すると、摂取エネルギー量は 56.3kg × 30(身体活動量) = 1689 kcal となります。

1日に必要な糖質の量は、この50~60%となりますので、845~1013kcal程度になります。

 

ごはん茶碗1杯で250kcalなので、1日に4杯食べるとすると、摂取エネルギー量の目安を超えてしまうかもしれません。

おかずによっては、予想以上に糖質が含まれていることもありますので、目安を超えないように注意が必要です。

このため、ダイエットを意識している場合は、ごはんなど主食からの糖質は、やや少なめにすることをおすすめします。

身長と活動量に合わせて必要なエネルギーを計算し、算出の50%くらいのエネルギー量に合わせた糖質を摂取すると良いでしょう。

 

糖質が少ない場合の注意点

では、逆に糖質の摂取量が少ないとどうなるのでしょうか。

 

糖質の量が減ると、血液に含まれているブドウ糖の値である血糖値が下がります。

血糖値が下がると、肝臓や筋肉に貯蔵されていたグリコーゲンが分解され、ブドウ糖となって血液中に戻ります。

貯蔵されたグリコーゲンが不足すると、身体は筋肉などのたんぱく質を分解して、エネルギーを作るようになります。

 

つまり、筋肉が減り、脂肪だけが残った「やつれた身体」のようになってしまう恐れがあるのです。

また、身体の中でエネルギー消費量が最も多いのは脳です。

糖質の摂取量が少なく、エネルギーの足りない状態が続くと、集中力が低下し仕事や勉強がはかどらない、イライラして周りに当たってしまうなどの悪循環につながってしまいます。

 

自分で食生活をコントロールすることが大切

糖質の摂りすぎや不足、1日に摂りたい糖質の摂取量の目安についてお話しました。

糖質の計算は少し難しいかもしれませんが、糖質を管理することで、自分の食生活を整えることは大切です。

適切な糖質の摂取と適度な運動で、健康な心と身体を手に入れましょう!

 

この記事の執筆監修者

小園幸管理栄養士 小園 幸

 
 
 
 
 

■プロフィール

神奈川県出身。

子供の頃から「食」と「運動」に興味があり、人の健康に関わりたいという想いから栄養士を目指す。

栄養士専門学校を卒業後、実務経験を経て管理栄養士免許取得。

現在は、痩身教室での食事指導や特定保健指導、コラム執筆などに従事。

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