血糖値を下げる運動として効果的なのが有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせです。
日々の生活において、この二つの運動を無理なく取り入れていきましょう。
そのためには、ちょっとした工夫が必要です。以下で詳しく解説しています。
有酸素運動とは、酸素を体内に取り込むことで筋肉を収縮させるエネルギーに変えていくような運動全般を指します。具体的にはウォーキング、ジョギング、エアロバイク、サイクリング、水泳などです。有酸素運動によって体内のエネルギーを効率よく消費できれば、血糖の上昇が抑えられます。また、継続して行えばインスリンの働きも改善する可能性があります。
運動はその強さによって、使われるエネルギー源が変化します。おすすめなのは「中等度」レベルの運動療法です。これは早歩きや筋トレにおいて「少し息が上がるが会話できる程度」の運動と定義されています。中等度それ以下の運動は、ブドウ糖と脂肪が効率的に利用されるので血糖コントロールを行う上で役立ちます。少なくとも週に3日以上は運動を続けましょう。もちろん毎日行うことが一番良いので、ライフスタイルの中で体を動かす習慣を付けることが重要になってきます。
運動の強さ
(適度な脈拍数の目安)
49歳以下:120拍/分
50歳以上:100拍/分
運動の頻度
週3日以上・合計150分以上
※3日以上間隔をあけることは避けましょう。
運動と聞くと、まとまった時間が取れないと悩む方は多いようです。しかし、日々の細切れ時間を活用するだけでも効果は見込めます。たとえば意識して早歩きを心がけるだけでもまったく状況は変わります。
- バス停は一つ手前の駅で降りる。
- 車を利用する際は、少し遠い所に駐車して歩くことを心がける。
- エスカレーターやエレベーターではなく階段を使う。
- 休日はお子さんと積極的に外に出かける。
- 家事を行う際は体を動かすことを心がける。
- 休みの日はとりあえず外に出るようにする。
- 愛犬との散歩回数を増やす、コースを変える。
特定の動作を繰り返し行い、筋肉に抵抗をかける運動をレジスタンス運動と呼びます。具体的には腹筋、スクワット、腕立て伏せ、ダンベル運動などです。筋肉量をアップさせるので、基礎代謝量が上昇し、体がエネルギーを消費しやすい状態になります。
各レジスタンス運動の中から一つ選び、1~3セット(1セットは15回程度)を週に2~3回繰り返します。レジスタンス運動に慣れていない方は、少しずつ回数を増やすのがおすすめです。ただし、高齢の方や虚血性心疾患などのリスクがある患者さんは、激しい運動が適しません。レジスタンス運動を行う場合は必ずかかりつけ医と相談するようにしましょう。
運動の強さ
各レジスタンス運動を1種目選択。
その種目を1~3セットを行う
(1セットは15回程度)。