糖尿病についてよくある質問

FAQ

糖尿病に関する「よくある質問」と回答

Q:糖尿病とはどんな病気なのでしょうか?

A:糖尿病とは、血液中のブドウ糖の数値である血糖値が、高いままになってしまう状態を指します。

通常であれば、血液中のブドウ糖は、膵臓から分泌されるインスリンの作用でエネルギーに変わります。

そのため、食後に一時的に血糖値が上昇したとしても、インスリンの働きによって正常な値に戻ります。

 

しかし、インスリンの分泌量が足りなくなったり、インスリンが効きにくい体質になってしまうと、血液中にブドウ糖が溜まっていってしまいます。

結果、血糖値が常に高くなってしまい、この状態が糖尿病と呼ばれます。

血糖値が高いと、私達の体は活性酸素を発生させ、それが血管や細胞など、全身の臓器にさまざまな悪影響を与えてしまうのです。

 

※詳しくは「糖尿病のこと」のページをご参照ください

 

Q:どうして糖尿病になってしまうのでしょうか?

A:糖尿病は、「1型糖尿病」「2型糖尿病」「妊娠糖尿病」「その他」などいくつかの型に分類され、それぞれ原因が異なります。

 

・1型糖尿病になってしまう原因

インスリンを作っている膵臓のβ細胞が破壊されてしまうことによると言われていますが、要因は明らかになっていません。

急性発症型など、突如発症してしまうケースもあります。

 

・2型糖尿病になってしまう原因

日本人の糖尿病患者の、およそ90%以上がこのタイプです。

原因としては、食生活の乱れ、肥満、運動不足、ストレスといった生活習慣の乱れのほか、加齢や遺伝といった要因などがくみあわさることで発症すると言われています。

 

・妊娠糖尿病になってしまう原因

妊娠中のホルモンバランスの変化により、血糖値が高くなってしまいます。しかし根本的な発症要因はわかっていません。

 

・その他の原因

内分泌疾患などの疾患や、薬の副作用、遺伝的な要因などが原因となり、糖尿病を併発することがあります。

 

※詳しくは「糖尿病のこと」のページをご参照ください

 

Q:糖尿病の治療には、どのような種類があるのですか?

A:糖尿病の治療は、血糖をコントロールすることがポイントになり、「食事療法」「運動療法」「薬物療法」の3つに分かれます。

例えば、日本人に最も多い「2型糖尿病」においては、患者さんの状況に合わせた「食事療法」「運動療法」を基本とし、それでも血糖コントロールがうまくいかない場合は、「薬物療法」を組み合わせることもあります。

「1型糖尿病」の場合は、インスリン注射を行い、「妊娠糖尿病」の場合は「食事療法」をメインとしつつ、状態に応じて「薬物療法」を取り入れていきます。

 

※詳しくは「治療のこと」のページをご参照ください

 

Q:糖尿病は「合併症」が怖いとよく聞きます。どんな合併症があるのでしょうか?

A:糖尿病になり血糖値が高い状態が続くと、血管や神経に影響が出てしまいます。

代表的な病気として「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」「糖尿病神経障害」などがあり、この3つは3大合併症と呼ばれます。

 

糖尿病網膜症になってしまうと、視力低下や網膜剥離などを引き起こすリスクが高まります。

網膜出血などを繰り返すと失明につながるかもしれません。

糖尿病性腎症により腎機能が悪化すると老廃物をうまく濾過できなくなってしまいます。

貧血や倦怠感などを引き起こし、透析にいたる可能性があるのです。

 

糖尿病神経障害になってしまうと、脚先や手先に痛みやしびれを覚え、無感覚の状態になってしまうリスクが高い状態です。

痛みなどを感じにくいため、けがなどに気づかず悪化してしまうことがあります。

 

※詳しくは「合併症について」のページをご参照ください

 

Q:低血糖という言葉を聞いたことがあります。どんな状態になってしまうのでしょうか。

A:糖尿病治療を続けていく中で、薬やインスリンなどの副作用により血糖値が低下してしまうことがあります。

正常な血糖値の範囲(約70~110mg/dL)よりも下回ってしまう状況を低血糖と呼びます。

低血糖になってしまう原因は、「食事量の不足」「久しぶりに激しい運動を行う機会があった」「インスリン製剤や飲み薬の分量が多い」など、様々なケースが考えられます。

低血糖を引き起こしてしまった際は、「ブドウ糖を摂取する」などの対処をし、早急に医療機関を受診してください。

 

※詳しくは「低血糖のこと」のページをご参照ください

 

Q:糖尿病を予防するために歩くと良いと聞きました。どのくらい歩けばよいのでしょうか?

A:糖尿病の発症危険因子として考えられている中に、運動量の不足があります。

日常生活における歩数の増加は、健康の増進にもなり、糖尿病の予防対策になると考えられます。

「ややきつい」程度の有酸素運動を行うのがよいとされており、1週間に150分程度、歩数の目安としては1日8,000歩程度です。

また、有酸素運動だけでなく、筋力トレーニングも取り入れることで筋肉量を増やし、基礎代謝量をあげることで、よりエネルギーを消費しやすい体に近づきます。

 

※詳しくは「一般社団法人 日本糖尿病学会 糖尿病診療ガイドライン2019 4.運動療法」のページをご参照ください

 

Q:バランスのとれた食事が良いと分かっているのですが、具体的にはどういった食事がよいのでしょうか?

A:バランスがよい食事とは、「主食」「主菜」「副菜」の3種類を組み合わせた食事です。

 

「主食」は、ごはんやパン、麺類などの炭水化物。

「主菜」は、魚や肉、卵などの食品。

「副菜」は、野菜・海藻・きのこ類などになります。

 

主食の分量は、摂取カロリーの半分程度に抑えていただき、主菜は摂取カロリーの4分の1の分量が理想です。

副菜は栄養素も豊富なため、1日350グラム以上を目安に、積極的に摂取していただくとよいでしょう。

間食は控えるようにしてください。

 

※詳しくは「食事療法について」のページをご参照ください

 

Q:糖尿病になったら、塩分はやはり控えた方がよいのでしょうか?

A:塩分は高血圧と密接に関係があり、食塩の摂取量が多いと血圧が上がってしまいます。

糖尿病は生活習慣病のひとつで、同時に高血圧に罹患している人は非常に多いと言えます。

糖尿病も高血圧も動脈硬化の原因であり、いずれのコントロールも悪いと、さらに動脈硬化が進んでしまい、脳梗塞なども起きやすくなってしまいます。

糖尿病をもつ方は高血圧にも注意した方がいいため、塩分を控えることを心がけましょう。

 

※詳しくは「糖尿病の食事のはなし(実践編) | 糖尿病情報センター」のページをご参照ください

 

Q:HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)とは何を表す言葉なのですか?

A:HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)とは、過去1~2ヶ月間の血糖値の平均を表す数値です。

赤血球中のヘモグロビンはブドウ糖と結びつく作用があるのですが、ヘモグロビンとブドウ糖が結びついた「糖化ヘモグロビン」が、すべてのヘモグロビンの中で、どのくらいの割合になっているかを%(パーセント)で示した数値です。

 

直前の食事などの血糖値の影響を受けない基準であり、血糖値の検査結果と合わせて、糖尿病かどうかの診断が行われます。

また、糖尿病治療中の方は、HbA1cを測定することで治療効果をみることができるため、生活習慣の振り返り、薬などの治療内容を見直すことにつながります。

 

※詳しくは「検査・診断のこと」のページをご参照ください

 

この記事の執筆監修者

木村 眞樹子 先生

木村 眞樹子 先生
(総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医)

経歴:

都内大学医学部 卒業

大学病院で循環器内科、睡眠科に従事

現在は都内クリニックで訪問診療に従事し、内科・循環器科での診察、治療に取り組む

所属学会:
 日本内科学会
 日本睡眠学会
 日本循環器学会

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