合併症について

COMPLICATIONS

“ 気付かないうちに
合併症を併発!? ”

糖尿病を放置するリスク

糖尿病は初期段階だと目立った自覚症状はありません。しかし放置すると、徐々に神経、目、腎臓などに重大な合併症を引き起こすリスクを高めます。動脈硬化になることで心臓病や脳卒中の危険性も増します。

だからこそ、食事療法や運動療法などを組み合わせて、血糖値を下げることを心がけましょう。血糖値を適切にコントロールできれば、合併症を予防できることが明らかになっています。

“ 糖尿病特有の病気 ”

三大合併症について

高血糖状態が続くと、主に影響を受けるのが体の中を流れる細い血管や神経です。
結果として、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害になるリスクが高まります。
これら3つは糖尿病の「三大合併症」と呼ばれています。

三大合併症①

糖尿病網膜症

糖尿病を放置、もしくは血糖コントロールがスムーズに進まないと様々な障害を引き起こします。特に深刻なのが糖尿病網膜症です。糖尿病の罹病期間が長いほど発症率も高いというデータもあり、実際に50代を過ぎてから一気に発症リスクが高まります。

糖尿病網膜症は病期に応じて「単純」「増殖前」「増殖」の三段階に分けられ、症状や治療内容が変わります。初期段階の単純糖尿病は異常を感じませんが、糖尿病黄斑浮腫を併発することもあるので、半年から1年ごとの眼科受診を心がけましょう。

糖尿病網膜症の病期

  • 01

    単純糖尿病網膜症


    症状

    自覚症状はほぼありませんが、眼底出血や白斑が稀に見られます。

    治療

    治療ではなく、定期的な経過観察を行っていきます。

  • 02

    増殖前糖尿病網膜症


    症状

    小さな眼底出血、網膜の虚血変化が特徴です。ただ、自覚症状がないケースもあります。

    治療

    酸素や栄養不足に網膜に対して、主にレーザー治療を行っていきます。次の段階である「増殖糖尿病網膜症」を防ぐために必要な治療です。

  • 03

    増殖糖尿病網膜症


    症状

    視力低下が顕著になり、飛蚊症、硝子体出血、網膜剥離、血管新生緑内障などさまざまな合併症を引き起こします。

    治療

    新生血管が出ているレベルならレーザー治療で対応します。しかし、より症状が進行している場合は硝子体手術を行っていきます。

三大合併症②

糖尿病性腎症

糖尿病の細小血管合併症の1つである糖尿病性腎症。糖尿病網膜症と同じく、糖尿病の罹病期間が長いほど(具体的には患後10〜15年以上)発症するリスクが高まります。検査においては尿中微量アルブミン尿や蛋白尿がひっかかり、ネフロ-ゼ症候群を引き起こすなど徐々に腎機能を低下させます。糖尿病性腎症は、患者さんが透析を始めるきっかけとなることが多い疾患です。

症状

初期段階はほとんど自覚症状がありません。症状が進行すると、尿中微量アルブミン尿や蛋白尿が出てくるので、老廃物をうまく濾過できず、体がむくみを覚えます。腎機能が低下すると、貧血、食欲不振、倦怠感などの尿毒症を発症します。

治療

厚生省糖尿病調査研究班により作成された「糖尿病性腎症病期分類」に基づき、食事療法を行っていきます。科学的根拠をもとに、血糖・血圧・脂質コントロールを行い、症状の改善を目指します。

三大合併症③

糖尿病神経障害

手足がピリピリする、痛みを伴うなどの症状が出る糖尿病性神経障害。糖尿病の三大合併症の中で最も発症リスクが高い傾向にあります。詳しい発症要因はまだ明らかになっていません。ただ、高血糖状態が続くことで、神経細胞が変化したり、神経細胞への血流が滞ったりするなどが要因として挙げられています。

症状

初期段階は、脚先にぴりぴりとした痺れや痛みなどを覚えるのが特徴です。さらに症状が進行すると、手指にも症状が波及し、やがて神経の働きにも影響を及ぼします。最終的には痛みやしびれではなく、感覚の摩耗、もしくは無感覚の状態になります。

治療

神経障害には薬物療法、痛みや痺れのある場合は緩和治療などを行っていきます。ただ、すべての基本となる治療は、食事・運動・薬などで血糖をコントロールしていくことです。糖尿病神経障害の場合、血糖を一気に下げると、強い痛みが出ることもあるので、患者さんの状況に合わせて治療メニューを考える必要があります。

“ 全身のあらゆるところに現れる ”

その他の合併症

糖尿病の合併症は、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病神経障害だけでありません。体全体の血管がもろくなることで、大小関係なくさまざまな症状の発症リスクを高めます。代表的な疾患は以下のとおりです。

この記事の執筆監修者

名和 知久礼 先生

名和 知久礼 先生
(名和内科クリニック 院長)

所属学会:
 日本内科学会
 日本糖尿病学会
 日本内分泌学会
 日本肥満学会

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