【誤解しがち】糖質とカロリーは違います!正しい知識とは
- 糖尿病について
「要はカロリーって糖質でしょ?」
「たんぱく質はカロリーじゃないからたくさん食べても大丈夫」
こんなことを言っている人を見たことはありませんか?
糖質だけがカロリーではありません。
また、たんぱく質や脂質も大切な栄養素で、カロリーを持っています!
「そもそもダイエットの敵でしょ?カロリーって」
「カロリーって何となく使っている言葉だけど、実はよく知らない」
そんな方に、糖質やカロリーについてきちんと知っていただくために解説します。
糖質とカロリーは同じではない
糖質はカロリーで、カロリーは糖質なのか。
答えはYesともNoとも言い切れません。
というのも、糖質が身体の中でさまざまな酵素によって分解された結果、エネルギーが生じ、その単位がカロリーだからです。
つまり、糖質とカロリーは関係しているけれども、同一のものではないということです。
少しニュアンスが変わりますが、例えてみましょう。
車は乗り物ですが、乗り物は車だとは言い切れません。
つまり、車と乗り物は関係性があるけれど、イコールだとは言えないということです。
このように、糖質とカロリーはイコールではありませんが、お互いに関係のあるものなのです。
それでは、糖質とカロリーについてもう少し詳しく見ていきましょう!
糖質とは
糖質とは何でしょうか?
糖質は、炭水化物の種類の一つです。
炭水化物とは難しく言うと、炭素に水素、酸素分子が複雑なバランスで組み合わさっているものです。
この組み合わせのパターンで、「糖」と呼ばれるものになります。
糖にも、砂糖やショ糖、果糖などいろいろなものがあります。
簡単に言うと、炭水化物のパズルのピース(炭素と水)を繋げると、いろいろな「糖」ができることがあるよ、という話です。
身体に吸収された糖は、細胞の中でたくさんのエネルギーを作ります。
これによって、身体を動かしたり、頭を使ったりなどの日常生活や、心臓などの生命維持に必要な働きを保つことができるのです。
このように、糖は日常生活や生命の維持のために必要な栄養素と言えます。
カロリーとは
では、カロリーとは何でしょうか。
カロリーとはエネルギーの単位です。
中学校の理科で、カロリーについて、「1calとは、1mlの水の温度を1℃上げるために必要なエネルギー量」と習った記憶がある方もいるのではないでしょうか。
食品で表記されている単位はkcalなので、1kcalは水1Lの温度を1度上げるために必要なエネルギー、ということになります。
エネルギーと言われてもピンと来ないかもしれません。
エネルギーとはざっくり言うと、「何か」を「燃やし(酸化させ)」てできる「熱や熱量」です。
人の身体は、「食べ物」を「代謝し」て、「ATP(エネルギー)」を作って身体を動かします。
電化製品は、「燃料」を「燃やし」てできた「電力」を使って動きます。
車は、「ガソリン」を「燃やし」て、排気ガスを出しながらできた「動力」で動かします。
それらがエネルギーの種類によって、「カロリー」「ワット」「ジュール」などの単位で使い分けられています。
このように、カロリーはエネルギーの量を表す単位の一つで、人の身体におけるエネルギーの単位なのです。
糖質とカロリーの違い
ここまでの話をまとめると、
- 糖質はエネルギーを作るための材料
- カロリーはエネルギーの単位
ということがわかりました。
全く同じものでも、全く別物でもなく、お互いに関係のあるものと考えると良いでしょう。
また、人の身体は糖質以外の材料もエネルギーにすることができます。
たんぱく質や脂質もその一つです。
糖質は、身体の中でエネルギーを作る時に、酸素を使って効率よくエネルギーを作ります。
また、その時に一緒に水を作ります。
これを代謝水とも言います。
たんぱく質や脂質もエネルギーを作ることはできますが、副産物であるアンモニアなどの代謝も必要になるなど、効率の悪さが難点です。
そのため、エネルギーの材料の中でも、糖質が特にエネルギーを効率よく作れる材料なのです。
しかし、エネルギーを作る効率が糖質より低くても、たんぱく質や脂質は健康な身体を作るために必要な栄養素なので、これらの栄養素もバランスよく摂るといいでしょう。
糖質もカロリーも、摂りすぎや不足に注意
糖質とカロリーの違いについて、説明してきました。
糖質は、身体を動かすエネルギーである、カロリーの材料になる大切な栄養素です。
しかし、摂りすぎると身体にため込まれて肥満になったり、エネルギー代謝の効率が低下したり、などの悪影響があります。
また、不足するとエネルギーを作るために筋肉が使われたり、それに伴って身体の中の老廃物が増えたり、さらに不足すると脳が十分に働かなくなって、昏睡状態になることもあります。
摂りすぎや不足には十分注意しつつ、健康な身体を維持できるように心がけられると良いですね。