血糖値の上がりにくい朝食の摂り方とは
- 糖尿病について
糖尿病は現代人にとって非常に身近な病気です。
健康診断などで糖尿病予備軍と言われたり、もしかしたら糖尿病かもしれないと思っている方は多いと思います。
血糖値を上げないためには食事を減らせばよい、と単純に考えていませんか?
また、朝は色々と忙しくきちんとした朝食を摂らない人も多いですが、バランスの悪い食事は逆に糖尿病の進行を早める可能性があります。
この記事では、血糖値の上がりにくい朝食の摂り方について解説していきます。
食事に含まれる糖質に注意
糖質とたんぱく質、脂質は、人間に欠かせない三大栄養素の1つですが、特に糖質は、摂取することで血糖値を上げてしまうため、摂り方や量には注意が必要です。
たんぱく質や脂質は、食後血糖値を上昇させないと言われています。
そのため、糖尿病の方や糖尿病予備軍と言われた方は特に、糖質の食べ過ぎには注意しましょう。
糖質を多く含む食材はご飯、パン、うどん等の麺類、ジャガイモやサツマイモなどのイモ類、スナック菓子や和菓子、ケーキなどのスイーツ、甘いジュースなどです。
これらの糖質を多く含む食材を少なくし、たんぱく質や脂質を中心とした食事である糖質制限食は、血糖値を上げないために効果的です。
また、カロリー制限食に比べて、食べる量を減らす必要がないので、満足感が得られやすいです。
しかし、日本糖尿病学会などが推奨するほど根拠の確立した治療法ではないため、主治医や管理栄養士とよく相談しながら実施してください。
例えば、食物繊維の多い食材を食事の初めに食べることで、糖質がゆっくりと吸収され、血糖値の上昇を防ぐことができます。
食物繊維を多く含む具体的な食材は、野菜や海藻類、きのこ類です。
食事の最初にはサラダなどを積極的に摂るようにしてみましょう。
朝ごはんを抜くデメリット
糖尿病の治療目標のひとつとして血糖値の急激な変動を抑え、膵臓の機能を保護することが挙げられます。
膵臓で作られるインスリンというホルモンは体内で唯一、血糖値を下げる働きを持つホルモンだからです。
では、朝食を抜くと体内の血糖値はどのように変化するのでしょうか。
朝食を抜くと、前の日の夕食から次の日の昼まで長時間食事をとらないことになり、血糖値は低くなって、低血糖によるめまいやふらつきの原因となります。
久しぶりの食事となる昼食では身体が糖分をしっかり吸収しようとするため、血糖値は急激に上昇します。
その分、大量のインスリンが分泌されることになり、膵臓への負担は大きくなります。
インスリンは血糖を脂肪に変換することで血糖値を下げるホルモンですので、大量分泌は脂肪の蓄積に直結します。
過剰な脂肪の蓄積は肥満状態と呼ばれ、インスリンの効き目を悪くするため、更に膵臓への負担が増える負のスパイラルへ突入します。
また、空腹時の間食や甘い飲み物は血糖値がだらだらと高い状態となり、常にインスリンが分泌され続け、膵臓が疲弊する原因となります。
糖尿病の人が朝ごはんを食べるメリット
セカンドミール効果という言葉をご存じでしょうか。
これは、一日の最初の食事である朝食(ファーストミール)の内容を食物繊維が多く含まれた献立にすることで、二回目の食事である昼食(セカンドミール)を摂取した際の血糖値の上昇が穏やかになり、食後の血糖値の上昇も抑えられるという効果のことです。
昼食は仕事の都合などで不規則になったり、外食やコンビニ弁当などで糖質多めの内容に偏ってしまう方も多いと思います。
しかし、朝食の内容次第で、そういった昼食でも必要以上の血糖値の上昇を抑えることができます。
具体的にはどの様な献立が良いのでしょうか。
白米やパンなど炭水化物中心の朝食では、セカンドミール効果は得られにくいと言われています。
例えばおにぎりやお茶漬け、トーストや甘いシリアルなどを中心とした朝食です。
逆に食物繊維が多く含まれた献立とは、玄米や雑穀ご飯、全粒粉のパン、お蕎麦、玄米ブランやグラノーラなどの食物繊維が多く含まれたシリアルなどです。
健康的な朝ごはん
健康的な朝ご飯の具体的なメニューですが、やはり基本的には炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質、ミネラル、ビタミンなどの栄養素をバランスよくとることが重要となります。
そのうえで具体的な献立としては、主食では玄米や雑穀を混ぜたご飯、全粒粉のパンや玄米ブラン、グラノーラなどの食物繊維が多く含まれたシリアルなどです。
おかずではビタミンと食物繊維を多く含む野菜を中心にしましょう。
具体的にはサラダ、豆腐やわかめのお味噌汁、納豆やのりなどの海藻類をしっかり摂りましょう。
その他のおすすめとしては、お魚や鶏肉、鶏卵、低脂肪の乳製品やチーズ、ナッツなどの豆類、無糖のヨーグルトなどです。
果物はミネラルやビタミンを多く含みますが、糖質も多いため、摂りすぎには注意して下さい。
飲み物では砂糖を加えていないコーヒーや紅茶、お茶やお白湯、ミネラルウォーターなどです。
牛乳は乳糖を多く含むため、飲みすぎには注意しましょう。
また、良質な油もセカンドミール効果を高める効果があります。
サラダのドレッシングには、ノンオイルの製品よりもオメガ3を多く含むアマニ油やエゴマ油を使用したものを選びましょう。
アーモンドやクルミなどのナッツ類にも良質な油が含まれているため、積極的に摂りたい食材です。
まとめ
今回の記事では、糖尿病の方やその予備軍の方に摂ってもらいたい健康的な朝食について解説していきました。
多くの人にとって朝の時間は忙しく短いため、今回の記事で紹介したような食事を再現するのは難しいと感じるかもしれません。
ですので、この記事の中で一つだけ自分が出来そうな事を明日から始めてみて下さい。
出来そうなら二つ三つと増やしていき、難しそうなら少し減らしても構いません。