牛乳と血糖値の関係とは?効果的な飲み方と注意点
- 糖尿病について
カルシウムが多く含まれる牛乳ですが、実は血糖値と関係があることをご存じでしたか?
牛乳というと、骨粗鬆症の予防など、骨関係のイメージがあるかと思います。
しかし最近の研究では、血糖値を下げることがわかってきました。
今回は、牛乳と血糖値の関係について、わかりやすく解説していきます。
牛乳の効果的な飲み方と注意点についてもご紹介しますので、是非最後までご覧ください。
牛乳が持つ健康に良い働き
牛乳は栄養が豊富で、たんぱく質、脂質、カルシウム、ビタミンなどが多く含まれています。
カルシウムが骨粗鬆症の予防に良いというのは、よく聞いたことがあるのではないでしょうか?
カルシウムは骨や歯を構成する栄養素です。
牛乳に含まれているカルシウムは、コップ1杯(200g)で220mgです。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日のカルシウムの推奨量を成人男性750mg〜800mg、成人女性650mgとしています。
しかしながら、日本の成人におけるカルシウムの平均摂取量は、男性503mg、女性494mgです。
この結果から、日本人はカルシウムが不足していることがわかります。
他にも、牛乳に含まれているたんぱく質には、免疫機能の調節が関わっています。
たんぱく質は筋肉や臓器などの体を構成する主要な成分です。
そして牛乳は、コップ1杯(200ml)で約6.6gのたんぱく質を含んでいます。
牛乳のたんぱく質には、必須アミノ酸がバランス良く含まれています。
体内では、必須アミノ酸のうちどれか1つでも摂取量が少ないと、「最も摂取量の少ない必須アミノ酸の量まで」しか利用されません。
そのため、必須アミノ酸のバランスがとれたたんぱく質を取ることが大切になります。
このように、牛乳は健康に良い働きが様々あるのです。
牛乳と血糖値の関係
それではなぜ、牛乳と血糖値が関係しているのでしょうか?
じつは、牛乳に含まれているホエイプロテインを摂ることで、食後の血糖値が上がりにくくなると言われています。
ホエイプロテインの働きは、食べ物の消化吸収速度をゆっくりにしてくれます。
消化吸収がゆっくりになることで、急激な血糖上昇を防ぎます。
さらに、インクレチンというホルモンがインスリンの分泌を増やすことでも、血糖値の上昇を防いでくれるのです。
牛乳を飲む際の注意点
牛乳を飲む際のデメリットもあるので注意点をお伝えします。
一つ目の注意点は、牛乳に含まれる脂質の摂りすぎです。
牛乳には飽和脂肪酸が多く含まれており、摂りすぎてしまうことで悪玉コレステロールを増加させます。
悪玉コレステロールが増加することで血液がどろどろになり、動脈硬化や心筋梗塞を起こす恐れがあるのです。
1日1杯程度であれば問題ないので、それ以上の牛乳の飲みすぎには注意しましょう。
そして、二つ目の注意点は乳糖の摂りすぎです。
牛乳を飲むとお腹が痛くなったり、下痢をしたりという経験はありませんか?
日本人の約8割が、牛乳に含まれている乳糖を分解するラクターゼという酵素が十分に分泌できないと言われています。
いわゆる乳糖不耐症というものです。
アジア圏の人は昔から牛乳を飲む習慣があまりなく、うまく消化吸収ができません。
そのため、牛乳を飲みすぎるとお腹が痛くなったり、下痢をするなどの症状が表れます。
しかし、乳糖の入っていない牛乳を選んだり、温めてゆっくり飲むことで症状を和らげることは可能です。
ご自身のお腹の調子を見ながら、牛乳の種類や量を調整していきましょう。
より効果的な飲み方
血糖値を抑えるために、より効果的な牛乳の飲み方があります。
それは、朝食に牛乳を飲むということです。
なぜ効果的なのかというと、「セカンドミール効果」が関係しています。
「セカンドミール効果」とは、最初にとる食事が、その次にとった食事の後の血糖値にも影響があるという現象のことです。
ある研究で、朝食に牛乳を飲んだ時と、水を飲んだ時の血糖値を比較する試験が行われました。
結果、牛乳は食後の血糖値の上昇を抑えられることがわかったのです。
つまり、朝食に牛乳を飲むことで、1日の血糖コントロールに影響があるのです。
まとめ
牛乳にはたんぱく質、カルシウム、リンなど様々な栄養素が含まれています。
特に牛乳に含まれているたんぱく質は、血糖値を抑えるために大切な栄養素です。
そして、朝食に牛乳をとりいれることで、1日の血糖コントロールが期待できます。
牛乳には脂質や乳糖も多く含まれているので、飲みすぎには注意が必要ですが、適度な量、時間帯を守ることで、血糖値の上昇を抑えることができます。
血糖値の上昇を抑えるためにも、1日1杯を目安に牛乳を飲んでいきましょう。