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私は2021年3月まで東京医科大学病院で糖尿病専門医として外来診療や入院管理を行ない、今現在も同病院で外来診療も行なっています。
今まで糖尿病専門医として高度医療機関で治療を行ってきましたが、そういった専門的な治療を地域の方たちにどうやって届けていくか、還元していくかを考えたときに、もっと身近な存在から提供することの必要性を感じています。

一般的に大学病院や専門医療機関に通うことが出来る方は、世間の多数派ではないと感じています。多くの患者様に医療を届けるとなったときに、地域医療の充実が必須になると考えています。
というものに視点を当ててみたいと思いました。
そこで当院では糖尿病専門外来を行うことだけでなく、訪問診療における糖尿病専門治療にも注力しています。元々訪問診療とは一般内科・外科に対応可能な先生が多く、幅広い疾患・病態に対応する医院が多いと感じます。当院ではそれに加えて糖尿病の専門的で先進的な医療を提供することで、本来なら入院や施設入所を検討しなくてはならない患者様にも往診で対応しています。

昨今では糖尿病治療は新規の飲み薬や注射薬が出て来ている中で、デバイスも新しいものが出ています。24時間測定可能な血糖測定器や持続的にインスリン投与するポンプ療法を導入できるクリニックが都内には数少ない中、当院ではそういった設備を扱えるようにしています。それにより患者様の治療選択肢を広げ、ご自身にあった治療内容を提供できるように日々クリニックの進化を目指しています。訪問診療の現場でもそういった機能を活用し、在宅でのインスリン使用中の低血糖対策として遠隔モニタリングできるようにしています。

患者様にとって、糖尿病の治療目的は生涯を元気に長生きすることが大切だと思います。
日本糖尿病学会の見解でも、健康な方と変わらない寿命を迎えられるように目指すことを糖尿病治療の目標としています。そのために患者様には糖尿病をよく知っていただき、正しく向き合っていけば無理なくうまくいくという成功体験をしていただくことを大切にしています。我々は患者様にとって、糖尿病治療の補助員のようなパートナーでいられるように努めています。患者様が糖尿病であることに苛まれるのではなくて、明るく楽しく健康な人と変わらない人生を送ってもらうための歯車として私たちを利用して欲しいと考えています。

当院の方針では基本的にサポーター意識が強いと思います。こうすると血糖が上がる・下がるといった指導をしますが、叱るとか窘めるといったマウントを取るような一昔前の古風な外来はやりたくありません。患者様は糖尿病を良くしたいからこそ病院へ来ているのであり、その気持ちを盛り立ていく方が当然うまくいくのではないかと思います。しかしどんな人でも理想を追求して理想通りいくわけではありません。
それぞれの方ができる限りの中で、善処していくことが重要です。
現段階でその人の出来ることを少しずつ増やして一緒に探していくことが本来の医療ではないかと思います。

一般内科・外科だけでなく糖尿病に関するスタッフ育成に力を入れています。それぞれの医師、看護師からもインスリンの適正使用法や低血糖対策法もマニュアル通りではなく、その方にあった方針を自分たちで導き出せるようにお話するなど、私が不在な時も患者様とそういったお話ができるような関係を築くように意識づけしています。
患者一人でできる医療には限りがあり、皆で協力・活躍した方が円満に、迅速に良い結論を見出せると信じています。

糖尿病の治療は世間で誤解されていることが多く、「糖尿病になってしまったら…」、「糖尿病はこうあるべきだ…」などの論調をよく目にします。そういった情報で糖尿病の方を生きづらくしてしまう社会風潮があると思います。

一医院として私たちはそういった患者様の尊厳と将来を守っていきたいと考えています。自分に合った糖尿病治療を見つけられるともっと楽に治療に向き合えると思います。もし当院でお役に立てることがあればと思っておりますので気軽にご相談ください。

■資格　
糖尿病専門医　
糖尿病療養指導医　
認定内科医　
医療経営士３級
難病指定医