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糖尿病に限らず、あらゆる病気を抱えた患者さんに対して言えることではありますが、治療をするにあたり「もし自分自身がこの患者さんだったらどんな治療を受けたいか」「もし自分の家族だったら…」という意識で治療計画を立てることを大切にしています。一人ひとりを「患者さん」と考えるのではなく、「もっと身近な存在」と考えることで、より適切な治療をしていけると考えているからです。
当院は透析を専門とした内科ということもあり、外科のお医者さんのように「悪いところを手術して治せば完了」という医療ではなく、長く付き合っていかなければならない疾患をお持ちの患者さんが多いですから、そういう意識は大事と考えています。

糖尿病もまた、長い間にわたって向き合わなければならない病気ですから、これからどのように治療を進めていくかを真剣に話し合います。
ただし、糖尿病は自覚症状があまりない厄介な病気ですから、患者さんご自身の治療への意識はあまり高くない場合がほとんどです。血糖のコントロールの話をしても、なかなか真剣には考えていただけません。
しかし初期は症状がなくても、糖尿病は恐ろしい病気です。心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる合併症を引き起こす可能性も決して低くはありませんし、将来的には失明してしまったり、寝たきりに状態になることも十分にあり得るのです。そうなってしまう前に、今のうちからきちんと治療をスタートすることをあえて強めにお話しするようにしています。ご自身のためでもありますし、ご家族の方々のためにも、糖尿病はしっかりと治療していかなければなりません。

糖尿病は普段の生活習慣によって大きく左右される病気です。お若いうちは平気だったとしても、年齢を重ねられるにつれて身体の受け入れられる範囲は狭まっていってしまいます。やはり、年齢に相応した生活習慣へと改めていくことが大事です。
「自分の暮らしが大丈夫かどうか知りたい」「どのように変えていけばいいのかわからない」という場合は、ぜひ専門の医師にお気軽にご相談いただければと思います。