糖尿病になりやすい人の特徴とは?|あなたも糖尿病予備軍かも!?
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糖尿病/肥満
「糖尿病ってよく聞くけど、私に限ってそんなことないよね」
「糖尿病っておしっこが甘くなるだけでしょ?」
「糖尿病って、名前は知っているけど、具体的にどんな病気なのかよくわからない…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
実は糖尿病は、日本人の誰にとっても身近な病気なんです。生活習慣や体質によっては、気づかないうちに「糖尿病予備軍」になっている可能性もあります。
今回は、糖尿病の現状や原因、なりやすい人の特徴、予防のための生活習慣について、わかりやすく解説します。
目次
日本における糖尿病の現状
厚生労働省の令和5年「国民健康・栄養調査」によると、糖尿病や糖尿病予備軍とされる人の割合は、男性で16.8%、女性で8.9%と報告されています。(参考:厚生労働省 令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要)
国際糖尿病連合(IDF)の推計では、成人(20〜79歳)でおよそ1,080万人が糖尿病とみなされています。特に40代以降で患者数が増え、男性は比較的若年からリスクが高まる傾向、女性は閉経前後でリスクが上がる傾向が報告されています。
糖尿病は放置すると、手足のしびれ(神経障害)、視力低下や失明、腎不全による透析、さらに心筋梗塞や脳梗塞といった重大な合併症を引き起こす可能性があり、社会的にも健康面でも大きな負担となります。
糖尿病が起きる仕組み
食事で摂った糖は消化・吸収されて血液に入ります。血糖値が上がるとすい臓からインスリンというホルモンが出て、糖を筋肉や肝臓へ取り込みエネルギーや貯蔵に回します。ところが、
・慢性的に血糖が高い状態が続くとすい臓が疲れてインスリンの分泌が追いつかなくなる、
・あるいは身体の細胞がインスリンに反応しにくくなる(インスリン抵抗性)、
このどちらか、あるいは両方が進行すると、血糖値が下がらず糖尿病になります。日本人は欧米の人に比べてインスリン分泌量が比較的少ない傾向があり、わずかな生活習慣の変化でも血糖コントロールが乱れやすいとされています。
糖尿病になりやすい人の特徴と共通点
甘いものや砂糖入り飲料を頻繁に摂る
甘いお菓子や清涼飲料は血糖を急上昇させ、短時間で大きなインスリン応答を引き起こします。これが習慣化すると膵臓への負担が増え、インスリン分泌低下を招きます。
運動不足(特に筋力低下)
筋肉は血糖を消費する大きな器官です。デスクワーク中心で歩く量が少ない、筋肉量が落ちている人は血糖を効率よく使えず、糖が余りやすくなります。筋トレで筋肉量を維持するとインスリン感受性が改善します。
肥満、特に内臓脂肪型肥満
皮下脂肪よりも内臓脂肪(内臓の周りに付く脂肪)が多いと、炎症性の物質が分泌され、インスリン抵抗性が進みます。見た目の体重よりもウエスト周囲径(腹囲)をチェックすることが重要です。
家族歴(遺伝的素因)
親や兄弟に糖尿病の人がいるとリスクが高まります。遺伝だけでなく、家庭内の食習慣・生活習慣が似ることも影響します。
高血圧や脂質異常(高コレステロール)
これらは動脈硬化を進め、糖代謝にも悪影響を与えます。いわゆるメタボリックシンドロームの一部として糖尿病と結びつきやすいです。
喫煙・過度の飲酒・慢性ストレス・睡眠不足
喫煙はインスリン抵抗性を高め、長期的飲酒は内臓脂肪を増やす傾向があります。ストレスや睡眠不足もホルモンバランスを崩し血糖コントロールに悪影響を与えます。
職場やライフスタイル別のリスク(具体例)
デスクワーク中心で1日1,500〜2,000歩未満の人は運動不足が深刻です。まずは1日5,000歩を目標に増やしましょう。
夜勤・不規則勤務の人は食事や睡眠リズムが乱れやすく、糖代謝が不安定になります。
育児や介護で自分の健康管理が後回しになっている人は、食事を片手で済ませがちで栄養が偏りやすいです。
糖尿病予防に効果的な具体的な行動(すぐできる対策)
ここでは日常に取り入れやすい具体例を紹介します。
【食事】
- 朝食は抜かない(血糖コントロールを乱さないため)
- 野菜(特に葉物)を先に食べる「ベジファースト」
- 間食はナッツやヨーグルト(無糖)にする、チョコやスナックは頻度を減らす
- 飲み物は無糖のものを選ぶ。缶コーヒーや清涼飲料は要注意
【運動】
- 1日30分の速歩(週5日で150分)が目安。まとまった時間が取れない場合は10分×3回でも可。
- 週2回の筋トレ(スクワット、腕立て、体幹トレーニング)で筋量を維持する。椅子に座ったままのレッグリフトなども有効。
【習慣】
- エレベーターではなく階段を使う、遠いトイレを使うなど「生活運動」を増やす。
- 夕食は就寝2〜3時間前に終える。夜遅い食事は血糖を上げやすい。
- 睡眠を6〜8時間に整える。睡眠不足はインスリン感受性を悪化させる。
日々のチェックポイント(自己管理のコツ)
- ウエスト周囲径を月に1回測る(目安として医療機関での基準を参照)
- 体重・体脂肪率を定期的に記録する
- 健康診断の結果(空腹時血糖、HbA1c、AST/ALT、脂質)を1年ごとに見直す
- 家族歴がある人は早めに医師と相談する
糖尿病の初期症状(見逃さないために)
- のどの渇きが強くなる(多飲)
- 尿の回数が増える(多尿)や夜間頻尿の増加
- 疲れやすく、だるさを感じる
- 手足のしびれや感覚鈍麻(進行性の神経障害)
- 体重が急に減る(特に1〜3ヶ月での減少)
これらは一つだけで糖尿病とは断定できませんが、複数が当てはまる場合は早めの受診をおすすめします。
検査でわかること(受診時の目安)
- 空腹時血糖:126mg/dL以上で糖尿病を疑う指標のひとつ
- HbA1c(過去2〜3ヶ月の平均血糖):6.5%以上が糖尿病の診断基準の一つ
- 75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験):境界型やインスリン分泌能の評価に有用
(注:診断は医師が複数回の検査や総合的な判断で行います)
よくある質問(Q&A)
Q1. 痩せていても糖尿病になりますか?
A1. はい。特にアジア人では痩せ型でもインスリン分泌がもともと少ない場合があり、発症することがあります。見た目だけで安心しないことが重要です。
Q2. 糖尿病予備軍と言われたら何をすればいいですか?
A2. まずは生活習慣の見直し(食事・運動・睡眠)を行い、3〜6ヶ月で再検査するケースが一般的です。必要に応じて医師から指導を受けましょう。
Q3. 甘い物を完全にやめないとダメですか?
A3. 完全にやめる必要はありませんが、頻度や量、摂取のタイミングを調整することがポイントです。主食や食後の間食の取り方を工夫しましょう。
編集部から忙しい人向けのワンポイントアドバイス
- エレベーターではなく階段を1〜2階分だけ使う
- 昼休みに10分の速歩を2回に分ける(合計20分)
- 週に1回、夕食メニューを計画して間食を減らす
1週間トライアルプラン(はじめの7日間)
初めて生活改善に取り組む方向けの簡単プランです。無理せず続けられることを目的としています。
- Day1: 朝は和食中心(味噌汁+納豆+玄米少量)、昼は野菜サラダを最初に食べる、夜は就寝3時間前までに食事を終える。夕方に15分の散歩。
- Day2: 甘い飲み物を無糖のお茶に切り替える。通勤時に一駅歩く。間食はナッツ30gにする。
- Day3: 昼休みに20分の速歩を実施。夜は青魚(焼き魚)を取り入れる。
- Day4: 階段を使う習慣をつける(1日合計で5階分を目安)。寝る前のスマホを控える。
- Day5: 週に1度、体重・ウエストを測定し記録する。食事は野菜中心でボリュームを確保。
- Day6: 筋トレ10分(スクワット、プランクなど)を行う。休日に30分の外出(買い物や公園散歩)。
- Day7: 1週間の振り返り。続けられたこと、難しかったことをメモし、翌週の目標を決める。
継続できた習慣があれば、2〜3ヶ月続けて健康診断での数値改善を目指しましょう。
補足:糖尿病についての誤解
「尿が甘い」は古いイメージで、現代では血糖コントロールの異常は血液検査で正確に評価されます。また、症状が軽い段階でも合併症はゆっくり進行するため、早期に対処することが重要です。
まとめ
糖尿病の予防や早期発見は、自分の生活を見直す「きっかけ」をつくることが最大のポイントです。小さな変化を積み重ねることで、将来の合併症リスクを下げ、日々の生活の質を高めることができます。気になる点があれば、まずはかかりつけ医や健康相談窓口に相談してみてください。
※本記事は一般向けの情報提供を目的としています。個別の診断や治療については、医師・専門家にご相談ください。

